IPv4アドレスとは
IPv4アドレスとは、TCP/IPネットワーク上で、通信相手(ホスト)を識別するための番号のことで、現在一般的に使用されているIPアドレスのことです。
IPv4は32ビットのアドレスを持ち、通常「123.45.67.89」のように、8ビットごとに区切った四つの数字で表記されます。
約43億個ありますが、2011年2月3日にIANA(ICANN)の持つ未使用在庫が無くなってしまいました。アジア太平洋地域では、2011年4月15日に在庫が8個になってしまいました。
IPv6アドレスとは
IPv6とは、IPv4に代わるプロトコルとして、IETFのIPNGのグループが中心となって開発したプロトコルのことです。
IPv6は128ビットのアドレスを持っていて、アドレス数はおよそ3.4×10の38乗という天文学的な数字です。IPv4アドレスが不足したため、長期的な対応策として期待されています。
AS番号とは
ASとは「Autonomous System」の略で、「自律システム」と呼ばれ、一定の経路制御方針を共有したネットワークの集合体のことを言います。
AS番号とは、このASに割り当てられた識別番号で、IPアドレスを住所の番地とすると、郵便番号のような役割です。当時は2バイトでしたが、足りなくなったため日本では2007年3月から4バイトに増えました。
IPアドレスの管理とは
IPアドレスは、インターネットユーザーが公平に共有する資源として、「アドレスポリシー」と呼ばれる方針に基づき、世界的に管理されています。
アドレスポリシーとは、IPアドレスの分配、または利用するために従う、IPアドレス管理の構造、考え方、アドレス分配の基準等を定義したもので、RIRが管轄している地域単位で文書化され、公開されています。JPNICのように、国別にアドレス管理を行うNIRがある場合は、 NIRがポリシー文書を公開しています。
また、 同じIPアドレスでも、IPv4とIPv6アドレスではそれぞれポリシーが違います。IPv4は効率的なアドレスの利用に重点が置かれ、IPv6で経路集成により重点が置かれています。
IPアドレス管理の構造
IPアドレスの分配は「インターネットレジストリ」と呼ばれる組織によって、 階層的な管理や分配が行われています。
JPNICは、アジア太平洋地域におけるアドレス管理を行っているAPNICの管理下にある、国別のインターネットレジストリとして、 日本国内のアドレス管理を行っています。
IPアドレス分配までの流れ
IPアドレスをパイとすると、 IANA (ICANN) でまるごとの完全なパイを管理し、各RIRへ切り分けられます。
国内では、アジア太平洋地域の管理を行っているAPNICから、 JPNICを介してIPアドレス管理指定事業者と呼ばれるISPへ切り分けられ、 ISPは自ら持っているパイの中から実際のネットワークへ IPアドレスを分配します。
IANA(ICANN)の持つIPv4アドレスは2011年2月3日に、APNIC/JPNICは2011年4月15日に新規在庫が無くなりました。
IPアドレスポリシーの開発
IPアドレスポリシーは、 IPアドレスの利用者の実運用に基づき随時見直しがされていて、 ポリシーに関する提案や議論へ誰でも参加することができます。
現在のアドレスポリシーに変更が必要で提案を行った場合、 IPアドレスを利用しているコミュニティからの賛同が得られれば一定のプロセスを経て、 IPアドレスポリシーに反映されます。
歴史的経緯を持つプロバイダ非依存アドレスについて
IPアドレスは、階層構造で管理される前はLIR (日本ではIPアドレス管理指定事業者)を通さず、APNIC、 またはJPNICに該当するインターネットレジストリより直接ネットワークに分配されていた時代がありました。
このような方式で分配されたIPアドレスは 「歴史的経緯を持つPI(Provider Independent)アドレス」と呼ばれています。